人の皮膚にかみつき、痛みを与えるハエ目の昆虫ブユ。地域によってブト、ブヨとも呼ばれる虫の生態を調べ、具体的な対策を考える研究が新潟県柏崎市の山間地、別俣地区で始まった。住民グループが2020年から独自に続けてきた生息数調査に基づく取り組みで、研究者と地元が協力して環境にも配慮した対策の構築を目指している。
かむのはメス、「清流の証し」
研究を主導するのは信州大の平林公男教授(61)。蚊など人体に有害な衛生動物を調べてきた。
平林教授によると、ブユで人にかみつくのはメスだけで、産卵のために必要な血を吸う。日本では病原菌を媒介することはないが、皮膚に赤みが残り、人によってはアレルギー症状を起こすことがあるという。水中にいる幼虫はきれいな水でなければ生きられないため、ブユは「清流の証し」ともされている。
別俣など同市の鵜川上流地域はブユの被害が以前から多かった。市は13~16年度に平林教授の協力を得て、被害の実態や生息地域に関する調査を進めた。
被害をもたらすブユが「ヒメアシマダラブユ」であることや、夕方の飛来数が多いことなどがわかったが、潜む場所などは判明しなかった。このため別俣では、市の調査終了後も住民たちの取り組みは続いた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル